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For people to work

OUT LINE

表面的な魅せ方だけでなく、本質的な魅力を会社の中に作るという取り組み

求職者が入社時に選択できる複数の雇用形態を設けることで、応募者数前年比263%を実現

実践ノート

業界の変化と、採用における新たな壁

本プロジェクトのクライアントは、道路工事を主とする建設・土木業界の企業です。かつて「3K」のイメージが根強かったこの業界も、近年では「新3K(給与・休日・希望)」という新たな価値観が浸透しつつあり、労働環境や待遇の改善が進んでいます。

クライアント企業もその潮流にいち早く呼応し、給与体系、福利厚生、労働環境の整備を積極的に推進。その結果、業界内でも先進的な職場環境を実現し、高校新卒者の採用にも成功してきました。しかしながら、依然として建設業界は就職先としての人気が高いとは言えず、特に人材獲得競争が激化する中では、「待遇の良さ」だけでは十分な応募に結びつかないという課題に直面していました。

主体的に「選ばれる」企業であるために

エシックススタンダードでは、待遇や環境がどれほど魅力的であっても、それが一方通行の情報発信である限り、求職者には十分に伝わらないと考えました。特に高校生を含む若年層は、まだ労働観が未形成であることも多く、自らの意思で「働く場」を選ぶ経験が乏しいため、情報の受け手としての姿勢にとどまりがちです。

そこで、私たちは「働き方を自ら選ぶ」という仕組みを提示し、求職者に主体性を持って企業との関係を築いてもらうアプローチが必要だと考えました。選択の自由があることで、入社後のキャリア形成にも自分ごととして向き合えるようになり、結果として企業とのマッチング精度も高まると見立てるに至りました。

「A or B」選べる雇用形態の導入

提案したのは、「働き方の選択肢」を明確に打ち出した雇用制度です。

正社員Aは「収入重視型」、つまり年間休日は標準的ながらしっかり稼げる働き方。一方の正社員Bは「生活重視型」で、収入は標準的ながら休日が多く、プライベートとの両立を重視できます。入社時にAまたはBのいずれかを選ぶことができ、さらに1年ごとに切り替えることも可能としました。

この制度は、採用広報においても大きな反響を呼びました。単なる待遇の良さではなく、求職者に「選べる幸せ」を提示することで、企業に対する興味と親近感を喚起する大きな要素の一つとなりました。また、既存社員にとっても、自分の働き方を見つめ直す契機となり、制度そのものが社内の意識改革にも繋がる一因となっています。

数字以上のポジティブな変化が生まれた

新制度導入以降、「働き方を自分で選べる」というメッセージが高校生や保護者、教員からも好評を得て、説明会や面接の場でも自然と会話が弾むようになりました。単なる待遇紹介ではなく、将来のライフスタイルに向けた「選択」という文脈を持たせたことで、求職者との関係性にポジティブな空気が生まれています。

さらに、就職を「ゴール」ではなく「スタート」と捉える視点を伝えることができるため、働くことの意味を一緒に考えるキャリア教育的な役割も果たすようになりました。結果として、新卒・中途ともに応募者数、採用数が導入前と比較して大きく増加しています(※詳細な数値は非公開)。

これからの採用に必要なのは「選べる制度の設計」

我々が提案するだけで終わってしまうと絵に描いた餅になってしまいますが、今回の提案を即座に受け入れていただき2カ月後には制度として導入・運用を開始いただいたクライアントの関係者の方々に感謝を申し上げたいと思います。関係各所との社内調整など、かなり大変なところもあったかと思います。そのような状況の中で短期間で迅速にやり遂げられたご担当者の実行力、経営層の方々の採用にかける真摯な姿勢に対して改めて敬意を表したいと思います。

今後も、今回のような制度設計の提案を通じて、働く人が自らの価値観で「選べる幸せ」を提供していきたいと考えています。複雑な制度ではなく、誰にとってもわかりやすく、企業と社員双方にとって前向きな仕組みづくりを心がけ、クライアントの採用力強化を支援していきます。

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